Kindle Fire 向けアプリを開発ために知っておくべき事
モバイル端末向けにサービスを提供することを考えると、どのサービス提供者も iPhone, iPad, Android への対応を優先して行うと思います。 まず iPhone, iPad, Android の対応を終わったとして、さて他に対応すべきデバイスはないのかなと考えた時に、第二勢力として有力になるのは Windows Phone であったり、本記事で対象とする Amazon Kindle Fire ではないでしょうか?
ここでは、AndroidアプリをAmazonアプリストアにリリースするために必要な知識についてまとめてみたいと思います。
- Amazon Kindle Fire のシェア
- Amazon Android アプリストア
- Amazon Android アプリストアにアプリをリリースするメリット
- Amazon Kindle Fire の仕様
Amazon Kindle Fire のシェア
2013年03月のオンライン広告を手がけるChitikaの調査結果によると、タブレット端末の世界シェアは以下のようになっています。
- 1位 : Apple iPad (81.9%)
- 2位 : Amazon Kindle Fire (7.1%)
- 3位 : Samsung Galaxy Tablets (4.3%)
- 4位 : Google Nexus Tables (1.7%)
また、2013年03月のビデオリサーチインタラクティブの日本国内の調査結果によると、利用しているタブレット端末のメーカー別シェアは以下のようになっています。
- 1位 : Apple (57%)
- 2位 : Google (9%)
- 3位 : SONY (5%)
- 4位 : Samsung (4%)
- 5位 : 富士通 (4%)
- 6位 : Amazon (3%)
タブレット端末向けにサービスを提供するのであれば、iPad、Android の次に対応すべき端末は Amazon Kindle Fire が有力です。
Amazon Android アプリストア
開発者の皆さんがまずは知らないといけないのは、Amazon Android アプリストアの存在です。
Kindle Fire にインストールされているOSはAndroidベースのOSですが、アプリケーションの取得に Google Play を利用することはできません。 かわりに Amazon Android アプリストアを利用する必要があります。 よって「既にAndroidアプリが Google Play にリリースされているから、Androidベースの Kindle Fire でも利用できるんだろう」という考えは通用しません。 Google Play にアプリがリリースされていても、Kindle Fire ユーザーの手に届くことはないのです。 (※ここでは「apkファイルをKindleにどうにかしてもっていけば・・・」的な裏ワザは除外して話をしています。)
Amazon Android アプリストアでアプリを配信するためには、Amazon Mobile App Distribution Programのページからアカウントを作成する必要があります。 ディベロッパー登録料は99ドルです。 (2013年05月現在は、無料のようです)
Amazon Android アプリストアにアプリをリリースするメリット
「なぜ Amazon Android アプリストアにアプリをリリースする必要があるのか?」という問いかけを、会社の偉い人などやお客様にされるかも知れません。 一番簡単には、上記で述べてきた通りの理由があります。
- タブレットシェアで Kindle Fire が上位であるため
- Kindle Fire を所有するユーザーにもサービスを提供するため
また、電子書籍ストア利用率調査によるとKindleストアの利用率がトップシェアを誇ります。 Amazonのアプリストアにアプリを公開するメリットとして、アプリ以外の購買を目的として Amazon Kindle を利用している人に対してAmazon内でプロモーション効果があります。 普段はアプリに興味がない人達にプロモーションできることは、他のマーケットに比べてメリットであります。
他にも下記のサイトにメリットがまとめられていましたので参考にしてみると良いと思います。
amazonアプリストアにアプリを公開するメリット
http://appmarketinglabo.net/amazon-app-store-merit/
Amazon Kindle Fire の仕様
Amazon Kindle の仕様について、開発者として抑えておく必要があることについてまとめてみたいと思います。
- Kindle Fire では Amazon Apps アプリでアプリを管理する
- Google API が利用できない
既に述べたように、Kindle Fire では Google Play が利用できません。 Amazon apps アプリを利用して、アプリケーションを管理します。 しかし逆に、一般的なAndroid端末においてAmazon Apps アプリをインストールして、Amazonアプリストアからアプリをダウンロードして利用することはできます。 Amazonの公式サイトに方法が掲載されています。
Kindle Fire では、Google API を利用することができません。 具体的にどういう事かというと、Google Maps API や GCM (Google Cloud Messaging for Android) といったAPIが利用できません。 もし一般的なAndroid向けのアプリを Kindle Fire 向けに移植しようと考えている場合には、この事に注意する必要があります。 代替APIとしてAmazon独自のAPIが用意されています。 Amazon独自のAPIはこちらから確認することができます。 「Google Maps API」の代わりに「Amazon Maps API」を、「GCM (Google Cloud Messaging for Android)」の代わりには「Amazon Device Messaging API」を利用します。
まとめ・所感
Amazon Kindle Fire 向けのアプリを作成するために考慮すべきことについて述べました。
アプリの製造工程としては、一般的なAndroidアプリを作成するように作れば良くて、地図やPUSH通知などは Amazon API を利用すれば良いということです。 (「利用すれば良い」と簡単に書きましたが、運用のことも考慮にいれると手間が増えて面倒ですね)
上記で述べた事以外に考えないといけないことに、「Amazon Kindle Fireを利用している層はどんな人なのか?」「現行のサービスをそのまま移植すれば、ユーザーは満足するのか?」という部分があります。 そこは、サービスごとに十分に検討する必要がありそうです。